第1章 子ども時代を子どもらしく生きる


  • 木登りが楽しめる欅の葉陰。夏の一日をのんびり過ごす子どもたちを見つけました。
    木登りが楽しめる欅の葉陰。夏の一日をのんびり過ごす子どもたちを見つけました。
  • ドングリの枯れ葉のお風呂。入浴剤なんて要りません。
    ドングリの枯れ葉のお風呂。入浴剤なんて要りません。
  • 満開の桜の下、ここには交通法規がないのかしら?
    満開の桜の下、ここには交通法規がないのかしら?

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第3節 保育の目標  私たちの目あて

3.自分を打ち込めるものと、ともに生きる

 しとしと降る雨にもの悲しくなることもあれば、しっとりと落ち着いた気分になることもあります。おなじお日さまなのに、寒い冬の陽射しはうれしく、暑い夏、アスファルトに照りつける陽光にはうんざりです。思えば身勝手ですが、人は周囲の人ばかりではなく、自分を取り巻く環境にも左右されて生きています。
こども園に目を転じれば、園庭の木々や木漏れ日、吹きぬける風が子どもにも保育者にもひとしく与えられ、戸外の心地よさが気づかないあいだにも感情のひだを育てています。土や砂や小石、小枝や葉っぱといった自然素材は、子どもを遊びに誘い込み、想像力をかきたて、創造性を育みます。三輪車を用意したり、ボールを買い求めたり、"どろじゅん"や"はないちもんめ"に誘ったり、スコップで砂場にお城を作ったりといった保育者の工夫もやはり、子どもを遊びに誘い込み、想像力をかきたて、創造性を育みます。
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このようにして子どもは、周囲の環境の中に自分を打ち込めるものを見つけだし、周囲の人とともに遊びこむのですが、そのような遊びはいつしか子どもの中に"意欲の水瓶"を育て、そこに汲めども尽きることのない生きる力を貯蔵してゆきます。
"意欲の水瓶"は、"もうひとりの自分"と相俟って、自分が自分らしく生きることを手伝ってくれるに違いありません。

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