第2章 子どもの育ち


  • くすのきの夏の集いの日です。お父さんお母さんと一緒に何をするのかな?
    くすのきの夏の集いの日です。お父さんお母さんと一緒に何をするのかな?

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第1節 関係発達保育論を基本とする

 保育所保育指針の第2章には、子どもの発達過程が示されています。岩屋こども園アカンパニは、指針が示す発達過程を基本的な発達の捉えかたとして参照しますが、子どもが周囲の人や周囲の事物との多様な関わりの中で育っていくことを思うと、能力発達に傾斜した指針の示す発達過程だけでは不十分です。
子どもは家庭とこども園の両方に生活の場をもちますから、家庭での保護者と子どもの関わりは、こども園での子どもの生活に色濃く反映しますし、保護者から見れば、わが子がこども園でどのように保育者やクラスの仲間と過ごしているのか、その関わりが知りたいところでしょう。このように、家庭を基盤としながらも、こども園にも生活の場をもつ子どもの育ちは、多様な関係性の網の目の上で変容してゆく過程ですから、子どもと生活を共にする保護者や保育者もまた、子どもとともに育つものであるという立場に立って、子どもの育ちを関係論的に捉える必要があります。