第2章 子どもの育ち


  • 2歳児クラスの子どもたち。私のものは私のもの。仲良く絵本を見ています
    2歳児クラスの子どもたち。私のものは私のもの。仲良く絵本を見ています
  • 大変重要な問題が発生しているようです。桜の花びらも相談に乗ってくれるようです。
    大変重要な問題が発生しているようです。桜の花びらも相談に乗ってくれるようです。
  • おかあさん、お揃いのオーバーコートに模様がついても叱らないでね。
    おかあさん、お揃いのオーバーコートに模様がついても叱らないでね。
  • みんなが砂利場と呼ぶ少しワイルドな遊び空間です。だいじょうぶ?わかんない。
    みんなが砂利場と呼ぶ少しワイルドな遊び空間です。だいじょうぶ?わかんない。

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第2節 保育室と育ちの区分

3.本館2歳児クラスの子どもたちの育ち

 2歳児のクラスには、2歳になったばかりの3月生まれの子どもの1年と、すぐに3歳になる4月生まれの子どもの1年というように、およそ2歳から4歳までの子どもの育ちを見通した保育的環境が準備されます。子どもたちの月齢差はそれでも1年未満ですから、必ずしも4月のはじめから年度末までいつも2歳から4歳を想定しているわけではありませんが、一人ひとりの子どもの育ちを大切にするために、保育者は子どもの育ちを、ゆとりをもって考えています。
 この時期の子どもたちは、〈大人:子ども〉関係から〈子ども:子ども〉関係へ自分の世界を広げてゆきます。けやきの家やくすのきの家でも〈子ども:子ども〉関係は多く見られるのですが、保育者の関わりが異なります。
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 およそ3歳までの子どもたちは、保育者をかたわらに、保育者を交えて遊ぼうとしますが、3歳を過ぎると、"何かあったら呼ぶから、先生はあっちでみてて"というように、保育者を心のよりどころとしながらも、"僕らで遊ぶ、私たちで遊ぶ"ようになります。そのような子どもどうしの関わりからやがて、自分の中のもうひとりの自分と他者を比べ、自分を知るようになってゆきます。それは周囲の人から自分が映し返されることでもあるのですが、ただ映し返されるだけではなく、自分の中で自分で比べるという作業、すなわちもうひとりの自分との対話がより深まってゆくことになります。

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