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第2節 保育環境の基本的な考え1.装置とは何かたとえば雨上がり、園庭には水溜りがいくつもできます。水面を鏡にして覗き込んでいる子もいます。はじめは恐る恐るだったのに、すぐに大胆になってバチャバチャやり、靴が泥んこになってしまった子もいます。雨水をかき混ぜ手ですくってその感触をなんども確かめている子もいます。その子たちのそばにはすぐに友だちがやってきて、一緒に遊び始めます。それをみている保育者は、後が大変だなあと思いながらも、それを止めることはしません。水溜りは雨がもたらした偶然の保育的環境ですが、水溜りに似た環境に小川があります。こども園の園庭には裏山から引かれた水が側壁をつたって流れ落ち、小川になって園庭を横切っています。途中には流水型の田んぼもあり、わずかですがお米も収穫します。
側壁をつたって落ちる水音も心地よく、岸辺にしゃがみこんでいつまでも水面を眺めている子もいれば、靴のままどんどん入っていく子もいたりして、とくにおもちゃがあるわけでもないのにいつもだれかが遊んでいます。
小川のそばには株立ちの欅があり、木登りに興じる子どもたちがいます。保育者は手伝わないので、自分で登れるところを子どもたちは知っていて無理はしません。ですから、いまのところ落下事故はありませんが、でも油断は禁物でしょう。 室内では、絵本が置かれた場所や造形活動に必要な用具と材料が置かれた場所、あるいはおもちゃやゲーム、積み木やブロックが用意された場所が目に付きます。そこでも子どもたちが遊んでいます。食事のためのテーブルもありますし、保育者が話し合ったり、記録を書いたり、少し休んだりする場所もあります。 入り口付近には登園を受け入れる場所もあり、ピアノやCDプレーヤーも子どもはいつでも楽しむことができます。コンサートや発表会が終わっても、音楽をかけて歌ったり踊ったりする子どもたちの姿が見られます。 |