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第2節 保育環境の基本的な考え2.カリキュラムとは何か保育内容を子どもたちの側から検討すると、いったいこども園はどのような場所なのでしょう。なんといっても子どもたちの居場所が家庭であることはだれも異存のないところです。そこには主たる養育者(たいていは両親)がいて、その庇護のもとに子どもは安心して日々を過ごしています。その子どもたちが集団生活の場であるこども園にやってきます。低年齢であればあるほど、親の就労支援、すなわち大人の都合によってこども園にきてくれるのです。そのような子どもたちに、私たち保育者は何ができるのか、何をしなければならないのかといえば、こども園が一方的に教育や養護を押し付けるような場所ではなく、働くお父さんやお母さんに代わって、子どもたちの一日が充実するように願って、子どもとともに生きることが、私たち保育者に求められていることに気づきます。
では子どもとともに充実した一日を過ごすために、私たちはどのようなカリキュラムを用意すればいいのでしょうか。
こども園は、学習が中心となる小学校以降の学習の場とは異なり、生活の中に学習があります。体験を通して学ぶことが重視されなければなりません。ですからこども園に用意されるカリキュラムは、保育者が用意する人や事物を手がかりにした装置と、その装置を使って一日を暮らす子どもと保育者の展開の記録によって象られるのです。 予め用意された学習内容を子どもに教え導くというよりも、先に述べたような配慮の行き届いた保育的環境に子どもがみずから関わって活動を展開する保育と、保育者が提案した内容に子どもが興味・関心を示して保育者とともに取り掛かる保育がない交ぜになって子どもの充実した一日を構成するのが、岩屋こども園アカンパニのカリキュラムです。カリキュラムとは、保育者が準備した環境や提案する内容を装置とし、保育者とともに遊びこむ子どもたちの活動の過程が記録された保育の展開をいいます。 |