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第3節 環境ごとの保育【2】室内環境1.共通の室内環境(1)受け入れの場所すべての保育室の入り口近くに、朝の受け入れの場所を設けています。通園リュックから連絡ノートや提出物を取り出し、登園印を押したら、かごに入れます。次に給食袋を取り出して決められた場所に置き、最後に通園リュックを自分のロッカーに片付け、お父さんやお母さん、あるいはおじいさんやおばあさんとバイバイします。そのあいだに保護者の方に連絡事項を伝えたり、家庭での様子や気になることなどを話し合ったりします。朝の受け入れは、子どもにとっても保護者にとっても重要です。子どもたちが今日一日を充実して過ごすためには、保護者の方との別れ際に気持ちを落ち込ませないことで、いい一日のスタートとなります。
一方、保護者の方の気持ちも大切です。保護者の方が不安を抱えたまま子どもと別れると、その気持ちは子どもにも伝わってしまいます。また、我が子が元気にバイバイしてくれないと、後ろ髪を引かれるような気持ちを抱えて仕事に向かわなければならず、いつまでもこども園や保育教諭を心から信頼することができません。ですから保育教諭は、5月の連休が明けるころまでには一人ひとりの子どもが信頼できる保育者をクラスに見つけ、自分の居場所をこども園に見つけ、登園が楽しいものになるように配慮して保育にあたります。
こども園に新しい自分の居場所を持った子どもは、朝の受け入れの時間に保護者と保育者が少しの時間を目のまで一緒に過ごしてくれることで、お家の子どもからこども園の子どもへ自分を切り替えることができます。それは、自分で自分の気持ちを立て直す力の涵養に少なくない影響を与えるものと思われます。 |