造形カリキュラム
「ふふふ」
「今日は窓に描いてもいいんだよね?」
「なーんだこれ?不思議だなあ」
【Ⅱ】造形カリキュラム作成の手順
3.クラス別カリキュラム作成の手順
みどり・しろ2の造形カリキュラム
"先生、きれいってどんなこと?気持ちいいってどんな感じ?"
(作業手順)
1.「造形カリキュラム編成の基本的な考え方」を参考に、年間に取り上げたい造形活動を抽出する。抽出に際しては活動のバランスに留意すること。
① 体験と造形に分けて活動を抽出する。体験はおなじ体験を何度も繰り
返す。
② 活動はできるだけ保育者との1対1が望ましいが、「第4期 群れの表現を
受け止める」の頃には、複数の子どもたちで取り組むことも必要となる。
③ 体験は、次のような感情の経験を軸に具体的な活動を選ぶ。
きれい⇔きたない
あかるい⇔くらい
あたたかい⇔つめたい
あつい⇔さむい
おもい⇔かるい
④ 体験は、次のような素材によって遊ぶことから得る。
水
砂
土
泥
粘土
石
木
葉
花
布
紐
やわらかい紙⇔かたい紙
鉄
プラスチック
⑤ 体験は次のような空間で遊ぶことで得る。
明るいところから暗いところへ(その逆)
暖かいところから寒いところへ
広いところから狭いところへ
土の上
草の上
板の上
畳の上
布(布団、毛布を含む)の上
水の中
森の中
安心できる保育室の中
風が肌にあたる場所
⑥ 体験には音の経験も含む
人の高い声、低い声、大きい声、小さい声
歌声
打楽器の音
音階のある楽器の音
流水や落水の音
風の音
※子どもの絵筆の動きにあわせて保育者が音を添えること
⑦ 造形は描画が中心になるが、用具、素材、テーマに配慮する。
⑧ 最終的な4週ごとの活動の配列には、季節、行事、子どもの様子を
反映し、ドキュメンテーションの結果に応じて、柔軟に作り直す。
⑨ しろ1組には、製作コーナーが用意されてもよい
2.取り上げたい活動を期ごとに並べる。
3.保育を実施する。
4.実施後は必要があればドキュメンテーションをとり、4週ごとのカリキュラム
に反映する。
(まとめ)
この時期の子どもには、驚きや発見とともに、安定や安心が必要である。動と静が繰り返されることで、子どもたちの感情に起伏がもたらされる。子どもとの造形的な体験は、いつもこの両方の雰囲気が確保されていなければならない。お腹が空いた、お腹がいっぱいになったの繰り返しが、子どもにマイナスの感情とプラスの感情をもたらすが、それは明と暗、静と動、短調と長調などの対比される感情と呼応している。そのような対比される感情のあいだを、できるだけ大きく揺れることを大切にしたい。
このような観点に立つので、タイトルが"先生、きれいってどんなこと?気持ちいいってどんな感じ?"とされている。